あまおう農家をしています
あまおうを育て始めてわずか8年です。まだ8年です。あまおう農家になる前はサラリーマンでした。突然、脱サラしたお父さんが「お前も帰って来ていちご育てよう!」と言い始めました。
まぁ、都会にも疲れたし、帰ろうかな。と、なんとなく一緒にあまおうを作り始めたのがきっかけです。
なぜ、あまおう?
農業を本格的に始めるにあたり、なぜあまおうをえらんだのでしょうか?
あまおうは、単価が高い(=儲けやすい)からです。 あと、可愛いから、あげても喜ばれる。笑 ちなみに他に単価の良いもの ・花全般 ・一年中収穫できるもの (トマトやアスパラガスなど) お金の事を考えてあまおうを選んだんですね。
本格的設備を整えた
お父さんは、今まで細々と露地栽培(土に直接野菜や果物を植えて育てる方法)であまおうや、その他野菜を育てていました。
息子もあまおう作るなら、って事で本格的にあまおうを育てるにあたり、大規模設備を整えました。
高度設備栽培ハウス1800万
今までお米を作っていた田んぼを2反(約2000平方メートル)に、高度設備栽培ハウスをおったてました。
この1反分に建てた高度設備栽培ハウスがすごい。 そのお値段、1800万円也
1800万円のハウス内容
畑の総面積2反のうち、1反は高度設備栽培ハウスにし、1反は温風ヒーターの入ハウスです。
1、温風ヒーター完備
あまおうはクリスマスなど寒い時期でもどんどん出来るように、ハウスの中で暖房をつけます。
ハウス内が設定温度以下(現在は8度に設定)になると、自動的にヒーターが付くという機能をうちのハウスは持ってます。
2、自動水撒き設備完備
水道の元栓を開ければ、高度設備栽培に植えられているあまおうに水がかかる仕組み。
あまおうを植えている棚に、ホースを這わせてて、そこから水がシャワー状に出てくるようになってます。
棚の下にホースが這わせてあって、蛇口をひねると一気にお水がまかれる仕組みになっています。

3、高度設備のあまおうが植わってる棚
ハウスの中には、机のようなものを並べて、その上にあまおうを植えています。よく言う「棚植え」と呼ばれるものです。
このように棚の上であまおうを植える事で、1反の土地でも2段に重ねて植え付け出来ることにより、収穫量が2倍になるというメリットがあります。
一般的に高度設備というのは以下のように、棚の上にあまおうを植えることを言います。

1800万の調達方法
このハウスを建てるお金、1800万円をどこで用意したかを紹介します。
ズバリ、補助金で600万頂けます。
高度設備栽培を作るのには、自己資金、補助金、借金でまかないます。
・1800万円のうち、3分の1は自己資金
・3分の1は補助金
・3分の1は借金
補助金の申請方法
とにかく市役所や役場の農業担当課に行ってください。
まずは、市役所・役場の農業を担当をしている課に相談して下さい。親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
そんな事もできるのか!という驚きが沢山あります。
申請した補助金一覧
農業を始めるにあたり、申請した補助金や制度の一覧です。当時の制度名です。今はもうないかもしれません。
国の方針がころっと変わって急に制度がなくなる事もあるから気をつけてください。
・農業次世代人材投資資金
青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、就農前の研修期間(最長2年間)と経営が不安定な就農直後(最長5年間)の所得の確保を図るため資金を交付します。 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/josei-shikin.html#2keieitai
これを使って、慣れないあまおう栽培の収益を賄ってました。
1年で150万円の助成を受けました。2年間受けました。本当はもっと助成して貰いたかったけど、なぜか2年で打ち切られました。
・スーパーL資金
国民金融公庫が、農業をしたい、という人に有利な条件で貸し付けてくれる制度のことです。
あまおうハウスを建てる時に必要な借金600万円をここから借りました。
平成30年度現在でのスーパーL資金の無利子期間は5年となっているようですが、借りた時では10年無利子です。
ただし、スーパーL資金でお金を借りるには、「認定農業者」として認められなければなりません 認定農業者になるには、各市町村から、「この人はうちの町の農家だ」と太鼓判を押されないといけません。 認定農業者になるための条件は農業所得が400万円でした。 農業所得が400万円を達成するための計画書と、実績報告を町にして認定農業者としてあまおうを作ってます。
・経営体育成支援事業
市町村が作成した適切な人・農地プランに位置づけられた中心経営体等が、融資を受け農業用機械等を導入する際、融資残について補助金を交付することにより、主体的な経営展開を支援する事業です(補助率:融資残額(10分の3上限))。 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/josei-shikin.html#2keieitai
これも、ハウスを建てた時の制度の名前と変わっているようですが、現在の経営体育成支援事業にあたるものを利用して、国と町から支援してもらいました。
助成のデメリット
こうして、資金を得て円滑に農業しているように思えます。
しかし、当初自分とお父さんと、2人で2反の畑でであまおう作りをしようと建てた計画、借りたお金、受けた助成です。
張り切っていた矢先に、お父さんが亡くなりました。
2反のあまおう畑は1反になり、収量も収益も激減です。なんとか踏ん張っているものの、役場にあまおう、農家を辞める相談をしました。
助成を受けたら辞められない
なんと!途中で農業を辞めるとなると、国から受けた支援は、返さなければいけないのです。
知りませんでした。
ハウスの減価償却の残金や、使ってきた年数云々もあるから、600万全額返すという事はないでしょうが。
辞める、となると諸条件が色々重なるそうで、一旦は辞める選択肢を引っ込めました。
農業やりたい皆さんへ
最後に、農業をやりたい皆さんへアドバイスです。やり方は幾らでもあるので、挑戦する方はぜひ!