先日のニュースです。
ピアノなど音楽教室のレッスンで楽曲を演奏する際に、著作権使用料を徴収するのは不当だとして、ヤマハ音楽振興会など教室を運営する約250事業者が、日本音楽著作権協会(JASRAC)を相手取り、徴収権限がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は18日、「生徒の演奏は徴収対象にならない」と判断した。
NHKニュースより引用
以前から、JASRACはピアノ教室などで生徒が曲を演奏した際にも著作権使用料を徴収する、と言っていました。
ニュースの通り、ピアノ教室などを運営する事業者はびっくりです。はぁ?習っている人から、非営利目的の人からも著作権使用料を徴収するわけ?!と法廷の場でJASRACと争ったのです。
その結果が、上記ニュースです。結果はニュースの通り。
わたくしめの感想としても、よかった、当然だろ、と思います。音楽教室の生徒たちは、非営利目的で曲を演奏しています。それゆえ、音楽教室の発表会などでギャラが発生するわけでもありません。
JASRACが「音楽教室の生徒にも著作権使用料を課す」という主張に無謀だな、文化の発展を妨げる主張だな、と感じていました。
なのでJASRAC敗訴のニュースを見て、安心したというか嬉しいというか、納得したというか、やるじゃん!法廷!というか。そんな気分です。
JASRAC敗訴のニュース・見出し通りじゃない?!
ニュースの見出しだけ読むと、JASRACの主張が全面的に敗訴、というように取れますが、実際はそうではない様子です。
素人にもわかりやすく著作権を教えてくれる福井先生のコメントです。
先生は生徒に聞かせてるだろ?!
JASRACは先生は生徒という聴衆に対して、曲を聞かせてるだろ、という主張を崩してないとおっしゃっています。
判決をざっと読みました。教師による模範演奏が、「生徒という公衆」に聞かせるための演奏で、JASRACの許可を要するとする点は一審と変わらず。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) March 18, 2021
他方、生徒による練習演奏は、自ら主体となって教師に向けられたものであり、「公衆に聞かせるための演奏」でもない=JASRACの許可・支払いは不要と明言。
先生の演奏は徴収対象
音楽教室で先生が演奏した場合はJASRACは使用料取れるけど生徒が演奏した分は取れないって判決が出た😓
— コリドラス (@98WTxONQi5t4ett) March 18, 2021
【JASRAC】
— コロナ vs 音楽教室 (@COVIDVSMS) March 18, 2021
著作権料徴収問題で動きがありました。
>音楽教室は営利事業である一方で、学校教育を補完する役割を果たしてきた
この言葉にとても救われます。
が、私は未だ現場で蔓延している「楽譜コピー問題」についても、更に意識を高めなければならないと思っています。https://t.co/QK2cDXXwxE
原告は音楽教室の側で、JASRACは被告。「われわれは一銭も払うつもりがない。それで問題ないことを確認せよ」というのが訴えた趣旨で、「教師が演奏するのは著作権に触れるからJASRACの許諾を得ないと演奏権侵害になる。ちゃんと払いなさいね」との判決のようですね。だとすれば、仰せの通りです。 https://t.co/MMIIsEccks
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) March 18, 2021
日本以外では支払われている?!
ちなみに、世界中の先進国の「音楽教室」で、講師による演奏(生徒に対する手本として)は、日本以外は著作権使用料の徴収対象らしい。
— MedFE@○rA (@oraora1966) March 18, 2021
実は欧米の著作権管理団体から、「講師演奏の著作権料払えよ 」と長年JASRACが言われ続けていたのが実状らしい。
まとめ・まだまだ続きそう
ニュースヘッドラインだけ読んで、JASRACに著作権使用料を払わなくてよかったのね、よかったね、じゃないです。まだまだこの論争は続きそうです。
ともあれ、文化と教育と著作権。どれも守るべきものなので、しっかり話してもらって素人にもわかるようにしてほしいです。
音楽教室の生徒が曲を演奏しても、JASRACに著作権使用料を払わなくてもいい!!!