世の中ローコード、とかノーコードとかワイワイ言っているので、気軽に出来るもんなのかどうか調べてみました。とりあえず今回はPower Appsについて調べたことを書いておきます。
Power Appsを使うには
Power Appsはローコードの代表製品
マイクロソフトによると「短時間で開発できる環境を提供する、アプリ、サービス、コネクタ、およびデータ プラットフォームのスイート」と記載されています。カタカナばかりでめっちゃわかりにくいですね。
Power Appsはマイクロソフトが提供しているローコード、ノーコード開発環境、およびそこで作ったアプリを提供できる基盤、です。
しかも!Power Appsでアプリを使うと次のような利点があります
- Power Appsファミリー業務を自動化できるよう変換できる
- レスポンシブ デザインなので、タブレット、ブラウザ、スマホに見合う画面が表示される
- メンバー全員で開発できる
Power Appsを使うには
Power Appsを利用するには、Microsoftアカウントの作成が必要になります。お試し期間でPower Appsを使うにも企業のドメインが入ったメールアドレスが必要です。個人のメールアドレスでアカウントを作成しようとしても出来ませんでした。

Power Appsの価格
アプリ毎のプランが540円/月額、ユーザー毎のプランが2170円/月額です。そのほか重量課金が1120円ですが、こちらはAzuruサブスクリプションが必要です。
アプリ毎のプラン
ユーザーが3人で、それぞれ異なる環境で、アプリ1、アプリ2を使うと仮定すると、必要となるライセンスの数は全部で5になります。
ユーザー | 環境A(PC等) | 環境B(PC等) | ライセンス数 |
ユーザーAさん | アプリ1、アプリ2 | 2 | |
ユーザーBさん | アプリ2 | アプリ2 | 2 |
ユーザーCさん | アプリ1 | 1 |
どのユーザーにどのアプリを使わせるか、割り当てるかを「Power Apps管理センター」というところで行います。ユーザー同士でアプリを共有させる場合は、アプリの容量が減る、というような考え方になるようです。
これ、よくわからんよな。共有してたら途中で使えなくなったりするのかしらん?どうなるんでしょうね。

ユーザー毎のプラン
ユーザー毎のプランはわかりやすいです。1ユーザーがアプリを無制限に使えるライセンスです。
アプリの種類
Power Appsを使って出来るアプリは3種類です。
- キャンバスアプリ
- モデル駆動型アプリ
- ポータル
キャンバスアプリ
ポイントはもちろんプログラミングをしなくても良い事です。「キャンバス」と呼ばれる白いページに、パワーポイントのように四角を描画していく事でアプリが出来ます。
出来たアプリは、実行される機器(タブレット、スマホ等)を自動的に判断し、適切な表示をしてくれます。
アプリで扱えるデータの種類は、Excelなど200種類です。
モデル駆動型アプリ
マイクロソフトの提供する「DataVerse」を使って作るアプリです。DataVerseを元に次の事が実装可能です。
- フォームの作成および設計
- ビューの作成または編集
- システム グラフの作成または編集
- ダッシュボードの作成または編集
注意が必要なのは「DataVerse」ありき、な点です。
ポータル
Webサイトも作れます。
Microsoft 365のPower Apps
Power Apps for Officeはキャンバスアプリのみ
実はPower AppsはOffice製品を買うと使う事が出来ます。Power Apps for Officeです。
このPower Apps for OfficeはPower Appsとどう違うのでしょう??機能比較表です。
出来る事 | Power Apps for Office | Power Apps |
キャンバスアプリの実行 | ◯ | ◯ |
モデル駆動型アプリの実行 | × | ◯ |
ポータル | × | ◯ |
Power Apps for Officeはキャンバスアプリしか使えません。
超・超・超簡単なアプリを作るならPower Apps for Officeでノーコードを、ビジネスフローなどロジックを組み込んで作るならPower Appsでローコードが良さそうです。
データベースは?
アプリケーションたるもの扱うデータは必ずあります。Power Appsではどんなデータが扱えるのでしょうか。Power Apps for Office365とPower Appsとで扱えるデータに違いがありますので、表にしてみました。
データの種類 | Power Apps for Office365 | Power Apps |
スタンダードコネクション | 〇 | 〇 |
プレミアム・カスタムコネクション | ✕ | 〇 |
オンプレミスのデータ | ✕ | 〇 |
ここで言うところの「接続できるデータ」とは、「Box」「DropBox」等、クラウド上にある保存領域内のデータのことです。スタンダードコネクション、プレミアムコレクションとの違いは、マイクロソフトが公式パブリッシャー(開発・販売元)となっているかどうかで決まっているようです。
Power Apps for Office365でもだいたいのものにはつなげることができる、っていう認識で良いかと思います。
DataVerseとは?
Power Appsを語ると必ず「DataVerse」です。これはどんなものなんでしょう?DataVerseはデータベースではありません。データベースより賢い仕様のもののようです。
データのためのデータであるメタデータ、情報そのものであるデータ、データが増えれば増えるほど煩雑になってくるのですが、DataVerseを使うとそういった煩わしさを意識することなくデータを格納することができます。
DataVerseへのアクセスは、ロール単位に定めることができて、わかりやすく設定しやすい、SQLを書くことが出来なくてもデータへのアクセス、編集ができる、と良いことだらけのようです。
Office365にはDataVerseがあるのか?
Office 365を買えば、Power Apps for Officeがついてきてました。じゃあいっそのことDataVerseもくっついてこないのかしら・・・。なんてことを考えてしまいます。
Office365にはDataVerseがあるか?
結論。ありません。ただしOffice365には、「DataVerse for Teams」という製品がついてきています。
DataVerse for TeamsとDataVerseとの違い
DataVerse for Teamsは、Teamsに組み込まれているデータプラットフォームです。Teamsからアプリを作成する、Teamsで定義したメンバーで使用するアプリのデータを格納するなどに特化したDataVerseとして作られています。
DataVerse for Teamsと DataVerseとの機能の違いの概要は次の通りです。
機能 | Dataverse for Teams | Dataverse |
基本データの種類 | 〇 | 〇 |
高度なデータ型 (仮想通貨を送受信する際につかう通貨など) | ✕ | 〇 |
リレーションナル記憶域 | 〇 | 〇 |
非リレーショナル記憶域(No-SQL) | ✕ | 〇 |
ファイルと画像のサポート | 〇 | 〇 |
Dataverseでは、ログを非リレーションナル形式で保存しますが、DataVerse for Teamsはできません。
まとめ
Power Appsを安く使いたいと調べてみたところ、Office365についてきていることがわかりました。Office365を買えば、Power Appsを使うことが出来ます。
まぁ、制約は多いけれど、ちょっとノーコードとかさわってみるか、ってな感じなときはPower Apps for Office365でもよさそうです。
それで満足できなくなったら、Power Appsを使うのがよいですね。