NetFilixドラマ「Get Down」とは
ヒップホップ好きなら、NetFilixドラマの『Get Down(ゲットダウン)』がおすすめです。
NetFilixドラマ『ゲットダウン』とは
ゲットダウンとは、ヒップホップの誕生と、その背景を忠実に描いた青春ドラマです。舞台は1970年代後半のニューヨーク州ブロンクスです。若くして両親を亡くしたエレキゼル・フィエロが主人公です。エレキゼルの父親はギャングから撃たれ命を落とし、母親は病気で亡くなっています。
両親を亡くしたエレキゼルは、叔母の家から高校に通う日々を送っていました。
エレキゼルの友達として登場するララ、ディジー、ブーブー。彼らは姉を含む4兄弟です。エレキゼルは、ララ、ディジー、ブーブーらとともに荒れ果てたブロンクスで未来の見えない日々を送っていました。
そこで現れるのが孤高の青年、シャオリーン・ファンタスティックです。シャオリーン・ファンタスティックは生まれたときから、ストリートで過酷な日々を送っていました。
ある日、エレキゼルはシャオリーン・ファンタスティックが落とした一枚のレコードを拾います。そのレコードをめぐって、エレキゼルとララ達、シャオリーン・ファンタスティックが出会い、当時ブロンクスで生まれたばかりのヒップホップと出会います。
次第にヒップホップに魅了されていくエレキゼル。好きな女の子との恋模様、進学や友達との友情、大人からの期待と葛藤、、、。そして最高の音楽が加わり、最高のエンターテインメントドラマです。おすすめ過ぎです。
ゲットダウンで描かれる「本物」のブロンクス
ゲットダウンの魅力の一つに、当時の映像が所々で使われるところが挙げられます。とても正常な街並みとは言えません。戦争中のような様子です。
NetFilixドラマ・ゲットダウンの魅力
当時のニューヨーク州・ブロンクスを忠実に再現
当時のギャング・ファッションを再現
ゲットダウンは忠実に歴史を再現しています。
ドラマ『ゲットダウン』では、主人公のエゼキエルの行ったレコード店で、ギャングに出くわしたり、サウスブロンクスで経営しているディスコに出入りしているギャングが出て来ます。
このギャングのファッションが当時の人たちのものを忠実に再現しています。デニム生地に自分たちのネームを縫い付けて、ギャングの制服のようにしています。
こちらは実際のギャングたちの写真。チーム名?のようなものが縫い付けてあります。



1977年の大停電の出来事も
1977年に起こったニューヨーク大停電の様子もゲットダウンは忠実に再現しています。特に略奪w
サウス・ブロンクスの住民は、ここぞとばかりにお店を襲い、金品を略奪。そして荒れ果てた土埃の舞う空き地で闇市の開催w
ん?主人公のエゼキエルや友達はどうだったのか?!もちろん略奪しますwお目当てのターンテーブルや高級スピーカー一式、DJに必要な機材を有名なディスコ店「インフェルノ」から奪います。
赤信号、皆で渡れば怖くない、みたいな感じですかね。
そして、この1977年の大停電は25時間続いたそうです。リアルブラックアウト。治安の悪さが露呈し、ニューヨーク州の汚点を知らしめてしまいました。
歴史に見る・ブロンクス荒廃の理由
『ゲットダウン』のストーリーは、荒れに荒れている1970年代後半のアメリカ、ニューヨーク州、サウス・ブロンクスです。
ニューヨーク州は、州の財政破綻により、富裕層とされる人たちがどんどんニューヨークを離れていきました。そのあおりを一番受けたのがサウス・ブロンクスのようです。
住んでいた人たちが離れることで、たくさんたっていたアパート、ビルは無人となり、その後、貧困とされるヒスパニック系移民や、アフリカンアメリカンらが住むようになりました。
富裕層が出て行った家の大家たちは、大損で、保険金目当ての放火をギャングに頼んでいたという噂まで出回るようになりました。
戦場のような街並み、いたるところで起きている火事、がれきだらけの地面から、土埃が舞う・・・。そんな荒廃したブロンクスを舞台にゲットダウンは描かれます。
財政破綻と公共サービスの打ち切り
ニューヨーク州が財政破綻したことで、公共サービスが次々と打ち切られます。ゲットダウンのドラマの中でもそのことに触れられていて、「こうして火事が起こっても消防車1台来ない」と嘆くのです。
麻薬と酒、中退
ゲットダウン主人公のエゼキエルの父親は、ギャングに殺されています。
その後おじ、おばの元から学校に通います。先生がエゼキエルの才能を見抜いてなんとか進学させてやりたいと思うのですが、なんせお金がない。
また、彼もこの腐ったサウス・ブロンクスで自分が賢いことを恐れていて、才能を人に見せようとしません。
周りの大人は仕事がなく、麻薬と酒におぼれていて、子どもは学校に行かず1/3は高校中退するブロンクスです。
どう生きていけばいいのか、若者の葛藤もあらわされていて、単なるヒップホップ誕生ドラマでなないところがゲットダウンの魅力です。
街を牛耳るのはほぼギャング
ニューヨーク州は公共サービスを行うことを放棄したため、あらゆるサービスを民間に委託します。
そこで出てくるのが半分ギャングのような人たち。地元で権力のあるちょっと悪い感じの人がサウス・ブロンクスの運営に携わるようになります。
この人物も実在の人物をモデルに描かれています。
ドラマでの「パパ・フエルテ」です。

まとめ・歴史を忠実に再現
NetFilixのゲットダウンの魅力は、ヒップホップが生まれた背景を忠実に再現しているところです。ヒップホップがなぜギャングがベースになったレーベルから多く出されたのか、納得できる内容です。
荒廃したブロンクスで熱量の高いヒップホップが生まれたことに共感できるドラマです。ヒップホップ好きでも、そうでなくても楽しめるドラマです。次は音楽と出演者について詳しく書いていきます。